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10月号掲載 : 老舗の誇りを捨てた「赤福」の金儲け主義
「伊勢の赤福」として全国的に知られている老舗和菓子メーカー「赤福」が会社ぐるみで消費期限を不正表示。
そればかりではなく、売れ残った商品を自社で餡と餅に分類して再使用に回していた。「巻き直し」と称し、売れ残りの赤福を再包装し、新たな賞味期限を印字して再出荷していたという無神経さに呆れる。
甘党の筆者も、例年百貨店でも催される「全国有名弁当大会」等に併せて売られている赤福を毎年買って食べている。
吾家の場合、家人が余り食べないので時には冷蔵庫の中で4,5日保存する事もあった。確か賞味期限は3日となっていた様に思うが、砂糖が多く使われている餡と餅であれば賞味期限後2、3日は大丈夫だろうと思って食した。
恐らく赤福の役員、社員等も「赤福は簡単に傷むものではない」といった思いもあって、長年再利用を行っていたのではないか。
それならそれで季節季節の常温下で実験し、自信があれば(科学的にも裏付けが取れれば)賞味期限を延ばして表示すればよい。
只赤福の会長等は「儲け第一主義」らしく、前回の伊勢神宮(正称は単に神宮)の年遷宮に併せてオートメーションシステムを導入、量産化を図っているので、期日を延ばしても結果は同じであろう。
同地に在る後発組の「御福餅本家」も同様の問題が暴かれ批判の嵐が吹いているが、「利益優先主義」が生んだひづみと云えるだろう。
昨今、一寸名が売れると手を展げたがる傾向が強い。その為、博多のヒヨコ、熊本の陣太鼓など「おみやげに持って上京したら都内の百貨店で常設販売されていてがっかりした」との声もよく聴く。みやげの有難みをメーカー自身が薄めているのである。
本当の老舗と云うのは、せいぜい同地域に2,3店舗あるのが一番いい。
2,3店舗とは、長年勤めた社員が「暖簾分け」で独立したり、身内が独立して増える分である。これが守られてこそ老舗であり、商品に重みが加わるのではないか。
神宮の参詣客目当てに開業した初代。
お蔭参りで一生に一度訪れた参拝者が赤福を味わい、茶を啜って一服した情景も今や昔話。金の亡者と化した門前町の商人達に、寛容な天照大神も堪忍袋の緒が切れて天罰を下したか。
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