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* コラム [毒含流行論]
2012年12月号掲載
大阪・桜宮高生自殺
週刊文春報道の真実

 前号小欄で述べた大阪桜宮高校バスケ部員の自殺についての反省を書く。

 全メディアが部員の自殺を指導顧問Kの暴力と報じ、自殺した生徒の両親のコメントなど報じたのを筆者も鵜呑みして書いたのが前号「高校側の怠慢が生んだ大阪・高2生徒の自殺」であった。中で47歳の教員を異常性格とまで決め付けた訳だ。文中「何れ週刊誌が実態と実名を報じるだろうからあと暫く待たねば真相は分からない。筆者に云わせれば亡くなった両親の対応も理解に苦しむ。自殺前日に吾子が『数十回平手打ちされた』と云ったにも拘わらず行動を起こしていない。大学進学に有利なバスケット部主将の座をはずされるのを恐れての沈黙か」と書いた。この自殺事件の真相?を見事に明かしているのが週刊文春2月7日号「桜宮高 生徒・保護者が初告白 バスケ部と家庭の真実」として5頁に亘って詳報している。

 死亡生徒と母親は筆者が書いた通り「バスケ部主将を務めていたら希望する早稲田大学にスポーツ枠で入れる」と信じていた様だ。文春は「『A君には兄が居る。福岡のバスケ強豪校から早稲田大学に推薦で進学、A君は憧れの兄と同じく早稲田か同志社に推薦で行く』と周囲に語っていた」「母もとても熱心で毎試合必ずビデオに撮り、家に帰ったA君と一緒に何度も見て反省会をしていた」「A君は正座してそれを見せられるので帰宅を嫌がっていた」「バスケ部キャプテンはこれまで持ち回りでやらせてみて『一番適任だと部員に判断された者が最終的に選ばれていた。大体一番上手い子がやることになる。A君のように立候補したというのは聞いた事がない』」(前出・OB)。「A君は2年になっても出場が約束されている選手ではなかった。『正直レギュラーになる実力はなかった。お母さんの教育方針だったと思う』」その母親はバスケ経験者で「K先生の信奉者でした。他の生徒の母親が『一発でも手を出したら体罰だ』とK先生に抗議しようとしたら「それを承知で入ったんでしょう」とK先生を擁護した。その母親がA君の通夜の席でK先生を罵倒、夫(A君の父)はK先生を告訴に及んだ。文春の記事が間違っていたら両親は名誉毀損で告訴する筈。
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