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* コラム [毒含流行論]
2009年10月・11月合併号掲載
民主党・有頂天 回復不能?自民党

 民主党大勝、自民党大惨敗による鳩山民主政権が誕生して二ヶ月が過ぎた。当初から予想された通り、小沢一郎の黒幕としての存在は頭抜けている。一端を証明したのは十一月二十日未明に民主党が強行採決した中小企業等金融円滑化法案に続き、同日中に残り十一法案を自民、公明欠席のまま強行採決を予定していた。それが小沢の一声で中断、話合い採決に方向転換した。野党時代民主党は、自民党の法案に反対し、採決を強行すれば「数の横暴」と非難して来た。その民主党が政権に就いて僅か二ヶ月で十二法案を通そうとしたのである。暴挙としか云い様がない。民主党議員、特に閣僚共は長年夢見た政権党となり、これまで軽くあしらわれていた高級官僚らから「大臣、大臣」と煽てられ、有頂天真最中といった所だろう。面白かったのは政権誕生間もない頃、何かの委員会で与党賛成多数で可決した案件があったが、その委員会から出て来た自民党代議士(多分伊吹氏だったと思う)が「数の横暴以外の何物でもない」とコメントしているニュースを見て思わず笑ってしまった。攻守所を変えると謂うが、まるで鏡を見る様に見事な変身である。
  予算の仕分け作業でも政権与党の横暴を感じるが、中には「こんな事まで自民党はやっていたのか」と思う予算もある。民主党は徒に強権を駆使するだけではなく、国民が納得する政策を実行すべきで、何時までも浮れていたのでは早晩国民から見放されるのではないか。敗れた自民党も不様としか云い様がない。正に落武者そのものである。この大敗北は派閥解消のいい機会と思ったが、小さくなっても派閥は派閥、後生大事に守ろうとしている。
  次期参院選まで八ヶ月以上ある。この間、民心を自党に惹きつける敵矢もある筈だ。参院で逆転しようという発想もなければ努力も見られない。臥薪嘗胆という言葉もあるではないか。私達国民は政治の急変は望んでいない。住み易く安全な国造りを望んでいるのである。選出された議員がダメなのか、選出する国民が阿呆なのか。何れ民主与党議も真似ると思うが、自民党の驕りが現在の政治的混乱を招いた。国益の前に党利党略、私利私欲しかない政治は御免だ。
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