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コラム [毒含流行論]
 

2月号掲載 : イージス艦「あたご」庇う訳ではないが・・・


海上自衛隊の新鋭イージス艦「あたご」が勝浦市のマグロはえなわ漁船清徳丸に衝突、全長僅か12米の清徳丸は真二つに割られ沈没した。

漁船の乗員の父子二人は事故後現在(2月末)に至るも発見されていない。恐らく存在が不明の操舵室に閉じ込められているか、体の損傷が激しく海流に流されたかであろう。追悼の念を禁じ得ない。

事故後、海自、防衛省、あたご幹部らの「事故原因の真相隠し」とも思える言動の為、メディアを始め左翼政治家、一般国民にイージス艦「あたご」が全面的な悪者にされている感じだ。確かに港も近まり、漁船が多い海域に入りながら「自動操舵」で航行していた点は、素人の筆者でも「大艦の驕り」としか思えない。

「海上衝突予防法によると、清徳丸の場合、左舷に赤、右舷に緑、後部に白の灯火が義務づけられている。同法では、清徳丸を右舷側に見ていたあたごに回避義務があることから・・・以下略」(朝日新聞2月20日付)と報道され、あたごに回避義務があった事は認められる。

しかし筆者に云わせれば「法はあくまで法、現実として清徳丸何らかの衝突回避行動が出来ていれば今回の事故は防がれたのではないか」という思いに駆られる。被害者父子を責める気持ちは毛頭ない事を断った上で尚「父子にミスはなかったか」を問いたい。

乗員全員が死亡している為、当時の運行状況、船上の二人の「あたご」認知状態は今後も謎のまま終る可能性は高い。

事故は、車対人、車対車、船舶対船舶、航空機にしても複合的要素が重り合って発生する事が多い。特に今回の事故の場合、清徳丸があたごの直前を横切って発生している。

あたごは清徳丸の1千倍以上の大型艦である。その直前を何故横切ろうとしたのか、究明の予地があるのではないか。ニュース報道では「清徳丸が回避行動をとっている最中に衝突した」と報じた社もあるが、若し回避行動を起こしていたなら、7・3屯の漁船なら小回りは利く筈。

吉清さん父子が何かに気をとられるか、熱中していて「あたご」に気付かなかった、気付いても事故直前であったと考えられないだろうか。あたごの責任は問われなければならないが、真相解明も必要である。

 
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