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コラム [毒含流行論]
 

1月号掲載 : 食品から製紙まで偽装は全て悪か


昨年は偽装に始まり(北海道ミートホープの食肉偽装)偽装に終わった(うなぎ産地偽装)と云っても過言ではなかろう。1年の世相を表す漢字が「偽」であったのも納得といった所だ。


中でも一番悪質なのがミートホープの食肉偽装である。食肉業者が廃棄処分する筈の肉を安く仕入れて他の肉と混ぜ合わせてコロッケなどに使用した。原材料が安いから他社より安い価格で出荷出来る為、大手のコープ等が騙された。勿論消費者もだ。冷凍コロッケだから食膳に上る時に油で揚げられている。肉の匂よりジャガイモの香りの方が強いので汚い肉の匂は消されてしまう。偽装肉入りコロッケを見抜けなかったとしても消費者に責任はない。


笑えたのは船場吉兆の偽装である。和食でトップと云われる吉兆までが料亭で出す牛肉に佐賀産を使用、これを但馬牛(神戸牛)として客に供した。スキヤキだか、ステーキだか知らないが、但馬牛として出された佐賀牛の肉を「さすがに但馬牛ですな、実に美味しい」とか何とか云って食べた客の面を見たいものだ。吉兆なんぞに行くのは金回りのいいIT長者か、大企業の幹部連中、はたまた只食いに馴れている政治家どもか。人間の味覚が如何にいい加減なものかが証明された様で面白かった。


これらが悪質な業者としたら、被害者とも解されるのが横浜のシューマイの名門崎陽軒であろう。 偽装が社会問題化した為自社の原材料表示を見直し、重量順に表示していなかった為、農水省の担当課に相談した所「近い内に正しく表示したら」位に云われて戻った。が翌日の新聞に崎陽軒も偽装と叩かれた。農水省のリークである。自己摘発と自慢したかったのか。その後も、これに類する枝葉末節的な記事を散見した。メディアの無責任も面目躍如といった所か。


そしてうなぎの産地偽装である。宮崎の業者が台湾産を鹿児島産と偽って出荷。その後熊本にも飛び火したのは、本紙の記事の通りである。


最後は製紙会社の古紙の混入率偽装発覚である。エコを謳い古紙の使用を政府を始め消費者団体は大合唱するが、古紙を白い紙に変える技術、費用は膨大である。その費用負担を覚悟で云っているのか知りたい。

 
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