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コラム [毒含流行論]
 

8月号掲載 : 覇権主義に転じたロシアプーチン政権

ロシアの戦略爆撃機の長距離飛行訓練が再開されたと、十八日新聞各紙は伝えた。

ソ連崩壊後に中止されて、十五年振りの復活である。飛行訓練とは云っても、アメリカを牽制する示威行為である。

ソ連邦崩壊後は経済も疲幣、軍事力も低下しアメリカ一極化を横目で見ているしか能はなかったが、この数年、天然ガスや石油資源の開発が進み労せずして外貨を稼ぎだした。

ロシアは天然資源を国家戦略と位置付け、形だけは民間企業が運営しているかの如く粧いながら着々と国営化への道に進んでいるのが現状であろう。

ロシアの大手石油会社「ユスコ」の社長がプーチン大統領の云いなりにならなかったばかりに脱税容疑で逮捕され八年の実刑を受け目下服役中だ。

ユスコ社も建物その他を競売に掛けられ、落札が確実視されていたロシア国営ロスネッチではなく、全く無名のプラナという実態不明の企業が、最低競売価格の四、五倍の高値で落札している。

背後にプーチンの息のかかった元KGB幹部がからんでいるのではないかと欧米の情報機関は見ている。

又、日本の三井物産25%、三菱商事20%、欧州のロイヤル・ダッチ・シェル石油40%出資で開発が進められていた「サハリン2」の天然ガス開発は、八割方完成した途端「パイプラインが環境に悪影響を与える」としてパイプライン建設許可を取り消した。

挙句に三井、三菱、シェルの株式をロシアの最大企業ガスプロムが巻上げ経営権を握った後、三社を完全撤退させてしまった。

旧日本石油公団が出資し、権益の三割を得ているサハリン1は、当初予定していたパイプラインが中国向けしか完成されず、殆どが中国に輸出され、日本に輸出されるLNGも統制が強化されつつあるのだ。

プーチンのやり方は、全てKGB在任中に得た経験が基本にある。かつてソ連邦に含まれていたウクライナが反露、親欧主義を取り出した途端、同国に輸出していたガスの供給を止めてしまった。

しかし、この暴走は欧州各国の猛烈な反発に遭って早期に中止したが、一時が万事KGB的手法が駆使されている。

プーチンが大統領で居る限り、北方領土の二島返還はおろか、一島だに還る事はないであろう。


 
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