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* コラム [毒含流行論]
2016年5月号掲載
落日左翼の最後の足掻きか
異常な「日本会議」たたき

 今何故か「日本会議」ブームである。平成28年春頃から先ず新聞メディアがちらほら書き出し、後に特集を組む迄成長した。リベラルと呼ばれる朝日、毎日、東京新聞などがそれである。前後して週刊金曜日、週刊朝日などが特集した。同時に「日本会議の研究」(扶桑社新書)なる単行本も発売された。

 筆者がこの本を購入したのは第4版(6月1日発売)である。第1版が5月1日発行であるから、僅か1カ月で4版を重ねた事になる。メディアによると15万部を超えたという。で、購入した。「日本会議の研究」(菅野完著)に目を通したが、数頁で本を閉じた。余りにも偏った論調と、小汚い文面に概ねその中身を感じたからである。著者は自称「右翼で保守」と宣っているが、この本を読んで「そうだな」と共感する者が居るのだろうか。同書10頁「『日本会議周辺の保守論壇人は異質だ』『日本会議周辺は、これまでの保守や右翼とは、明らかに違う』集めたサンプルを虚心坦懐に読み解くと、そう結論づける他なかった」紙幅の都合で、この文を例に挙げた。心ある人、常識人にはこれで充分に著者のレベル、人柄を知る事が出来るであろう。発行元と著者には日本会議から150項目以上の誤り、虚偽を指摘した抗議が行われたと聞く。

 トンデモ本の「日本会議の研究」はこの位にして、今何故「日本会議」ブームなのか。しかも安倍晋三首相に「絶大な影響力を持っている」に至っては正に「噴飯もの」である。公称会員数3万8千人の穏やかな保守系民間団体に一体何が出来るのか。筆者も日本会議の一会員である。年会費を収めて毎月発行の機関紙「日本の息吹」が送られてくる。内容も、皇室の動向を「他誌より少し詳しく」報じている。左翼連中が謂う所の「保守文化人」らが、日本の独立、防衛、教育の在り方について、夫々の立場から論じているだけである。国政、地方を問わず選挙となれば同じ思想、理念を持つ人を推薦する。推薦するが、何処かの党の様に強制はしない。一言で云うなら「日本の伝統文化を守り、自主独立精神の確立」であり「それを子孫に伝える責務を負っている」ではないか。水鳥の羽音に驚く輩には通じまい。
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