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発行者:福島 宏

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* コラム [毒含流行論]
2011年3月号掲載
東日本大震災 脆かった東電福島原発

 平成二十三年三月十一日午後二時四十六分。この日、この時を多くの日本人が後世に語り継ぐ事になるだろう。宮城県沖を中心とした大地震はマグニチュード8・8が、後に修正されて9・0と日本に於ける過去最大を記録した。地震と共に発生した大津波は、早い地点で十数分後に第一波が襲いかかった。当日の夜のテレビは通常番組を変更、大震災報道一色であった。現代は映像の時代である。空撮等を含めて大津波が家々を、又車を軽々と呑み込んで行く様をリアルタイムに伝えた。非情と云えばこれほど非情な映像はないが、われわれはこの事実を受止めざるを得ない。未だ混乱の最中にあるが、今後は如何に早く復旧するかが政府の力に懸っているが、これまで見た限りでは菅内閣にその力はない。

  次に東京電力福島原子力発電所の事故について。福島第一原発は六機の原発が設置されているが、地震時四〜六号機は定期検査中の為発電は停止していた。一〜三号機は稼働中であったが、地震を感じて自動停止。ここまではマニュアル通りであったが、問題は停止後に発生した。

  原発は、災害時 「止める」「冷やす」「閉じ込める」の安全三原則がある。所が今回の地震は大津波を伴った為、緊急冷却用のディーゼル発電機と燃料タンクが津波で掠われてしまった。一号機の海寄りの敷地に設置されていたディーゼル発電機と燃料タンクが、津波前の映像では、はっきり映っていたが、津波後には跡型もなく無くなっているテレビ映像を見た。その後の原発状況は日毎に悪化、放射性物質による被害も出始めている。これは偏に東電の商業主義中心が起こした人災に外ならない。

 筆者は 「電力会社が原発を建設する際は安全の上に安全を重ねている」と信頼していた。故に反原発派には批判の目を向けていた。が、今回の事故を見ると 「かなりの手抜き」をして利益優先で建設したと思うようになった。一号機はGE製、二、三号機はGE、東芝の合作、四号機日立製と始めて知った。原発は必ずしも日本が先進していた訳でもないのである。東電、政府も情報隠しをしている様で、日本政府の発表を信用しない米国は独自の専門家を日本に派遣した。今後は全てを疑って見よう。
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