熊本県民新聞 WEB版
本紙の信条

トップページ
購読のお申込み
秘密厳守します!情報をお寄せ下さい。
コラム
バックナンバー
お問い合わせ

    ■ 発 行 所 ■

 〒860-0844
     熊本市水道町1-27

 発行者:  福 島   宏

  電話: (096)354-8439
  FAX:  (096)354-8440
 
コラム [毒含流行論]
 

6月号掲載 : 世襲議員の誕生 後援会に責任あり


国会議員の世襲制を批判する声が高まって来た。筆者は以前から議員の世襲制というか、父の跡を息子(娘)が継ぐ現象に疑問を抱いていたのである。

現在各メディア、有識者が論じている角度とは異った視点から「何故世襲議員が増え続けるのか」が疑問であった。当然、地盤、看板、カバンの事は判っていた。世襲議員の質が高い、低いといった以前の問題として「何故世襲するのか」と疑問を抱き続けていたのである。その疑問が一挙に氷解したのが、平成13年4月の小渕恵三総理の急逝である。直後から書くメディアは現職総理の急逝を連日報道した。

その中で、某民放局のテレビニュースを見ていた時、キャスターが小渕氏の地元後援会々長からコメントを取っていた。キャスターが「今後、後継者を出すのですか」と問うと、その後援会長(70代後半か)は「勿論出しますよ、われわれ後援関係者31人が食っていかなければなりませんからね」と答えたのを鮮明に覚えている。筆者が長年疑問に思っていた「何故後継者を出すのか」の答えは「ここにあったのか」と納得した。その時「後は決めているのか」との問いに「いやまだ何も決めていない」とも回答、娘の小渕優子は、その時点では名前も出ていなかった(と記憶している)。

それから暫くして小渕優子の名前が浮上、父の跡を継いで楽々当選を果した今日の小渕優子が在るのである。娘や、息子が居ない場合は、後援会の中から、或いは議員の秘書の仲からも選ぶのであろう。勿論、身内本人の意志で後継を表明する事も多々あると思うが、昨今メディアが騒いでいる世襲議員について、恰も議員本人に責任があるかの如き論調が多いが、議員に寄生して家族を養っている後援会幹部らも無視出来ない存在である。議院が大物であればある程後援会組織は強固になり肥大化する。幹部には美味いおこぼれもあるだろう。議員を失うという事は、自分達の生活の源を失う事に直結するのである。

民主党が提案を予定している「世襲議員の禁止法案」に加えて「後援会組織も一代限り法案?」を提出しなければ効力は半減するのではないか。1番の莫迦は人に云われるまま1票を投じる選挙民である。

 
最新コラム | 過去のコラム一覧